google1ddf4f7d92ae845a.html

ドレスを脱ぎ捨てて、

感情の備忘録

Fruhling

春になった。3月1日。もうすぐ春ですね、という歌詞の有名な歌があるけれど、そんな前置きや変化の予兆ははなくて。昨日まで早く冬が終わらないかな、と思っていたはずなのに、3月になった途端に、私達が寝ている間に、昨日までの寒さが嘘のように、春になるのだ。この感覚を私は知っている。7月になった途端夏になる、9月になった途端秋になる、11月になった途端冬になる、季節はいつも私達の先を行く、置き去りにする、そんな感覚。私は冬が嫌いで、冬になった途端嫌な気持ちになる、心が重くなる、けれど春とか夏は嫌いじゃなくて。

春になって季節が変わってようやく年が変わった実感が湧いて、今年がどういう年になるのか誰に出会ってどこに行って何をするのか、どんな楽しいことが待っているのかな。どんな映画を観るのだろう、何に感動して何に悲しむのか。あまり怒りたくはないな。そういうことに想いを馳せるようになる。12月31日から1月1日になるより、2月28日から3月1日になる方がよっぽど、ドラマチックで感動的だ。3月1日は2月28日のの翌日、延長線上に過ぎないのに、昨日まで身に纏っていた分厚いコートをもう羽織らなくて良くなるのだ。これだけで、心が軽くなる。新しい化粧品と新しい香水を身に纏い、新しいバッグを持って外に一歩踏み出せば、突然吹いてくる南風と、幼稚園児の声と真っ青な空。足取りが軽くて、速歩きしただけなのに、少し汗ばむ身体。暑がりの私はもう半袖でも良かったのではないか、と。電車から射し込む太陽の光にうたた寝。今日くらいは電車がいつも通り来なくても、許そう。